前斎宮でおありになるらしい。
几帳の垂《た》れ絹が乱れた間からじっと目を向けていると、
宮は頬杖《ほおづえ》をついて悲しそうにしておいでになる。
少ししか見えないのであるが美人らしく見えた。
髪のかかりよう、頭の形などに気高い美が備わりながら
また近代的なはなやかな愛嬌のある様子もわかった。
御息所があんなに阻止的に言っているのであるからと思って、
源氏は動く心をおさえた。
「私はとてもまた苦しくなってまいりました。
失礼でございますからもうお帰りくださいませ」
と御息所は言って、
女房の手を借りて横になった。
🥀🎼鳥籠 written by ハシマミ🥀
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