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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

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源氏は 御息所に会いにいく【源氏物語144 第九帖 葵17】言い訳をする源氏🌿恨みも疑いも氷解したわけではないが 美しい源氏から離れられそうにない御息所

物思いは御息所の病をますます昂《こう》じさせた。

斎宮をはばかって、

他の家へ行って修法などをさせていた。

源氏はそれを聞いてどんなふうに悪いのかと

哀れに思って訪ねて行った。

自邸でない人の家であったから、

人目を避けてこの人たちは逢った。

本意ではなくて長く逢いに来なかったことを

御息所の気も済むほどこまごまと源氏は語っていた。

妻の病状も心配げに話すのである。

 

「私はそれほど心配しているのではないのですが、

 親たちがたいへんな騒ぎ方をしていますから、

 気の毒で、少し容体がよくなるまでは

 謹慎を表していようと思うだけなのです。

 あなたが心を大きく持って見ていてくだすったら私は幸福です」

などと言う。

女に平生よりも弱々しいふうの見えるのを、

もっともなことに思って源氏は同情していた。

疑いも恨みも氷解したわけでもなく

源氏が帰って行く朝の姿の美しいのを見て、

自分はとうていこの人を離れて行きうるものではないと

御息所は思った。

 

正夫人である上に子供が生まれるとなれば、

その人以外の女性に持っている愛などは

さめて淡《うす》いものになっていくであろう時、

今のように毎日待ち暮らすことも、

その辛抱《しんぼう》に命の続かなくなることであろうと、

それでいてまた思われもして、

たまたま逢って物思いの決して少なくはならない御息所へ、

次の日は手紙だけが暮れてから送られた。

 

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