道因法師(82番)『千載集』恋3・817
🍃思ひわび さても命は あるものを 憂きに堪へぬは 涙なりけり
〜つれない人のことを思い嘆きながら、
絶えてしまうかと思った命はまだあるというのに、
辛さに絶えきれずに流れてくるのは涙だったよ。
🍁道因法師(どういんほうし) 1090~1182年)
藤原敦家(あついえ)従五位・左馬助(さまのすけ)でしたが、
80歳を過ぎてから出家しました。晩年は比叡山に住みました。
90歳を過ぎてから耳が遠くなっても歌会に出ていたほど元気で長寿でありました。
死後、千載集に多くの歌が掲載されたのを喜び、
選者・藤原俊成の夢に出てきてお礼を言ったという逸話が残っています。
藤原俊成殿の夢に出てきた逸話はこちらの記事に載っています。ぜひご覧ください🌿
記事より一部引用
道因の死後編纂された『千載和歌集』には、
道因の作が20首採られていますが、予定では18首だったそうです。
撰者藤原俊成(八十三)の夢に道因が現われ、
18首も選んでいただいてと礼を述べたのに感動。
俊成は2首を追加してその「執心」に応えてやったのだといいます。
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命婦は真赤になっていた。臙脂《えんじ》の我慢のできないようないやな色に出た直衣で、裏も野暮に濃い、
思いきり下品なその端々が外から見えているのである。
悪感を覚えた源氏が、女の手紙の上へ無駄書きをするようにして書いているのを命婦が横目で見ていると、
「なつかしき 色ともなしに 何にこの 末摘花《すゑつむはな》を 袖に触れけん」
色濃き花と見しかども、とも読まれた。花という字にわけがありそうだと、
月のさし込んだ夜などに時々見た女王の顔を命婦は思い出して、源氏のいたずら書きをひどいと思いながらも
しまいにはおかしくなった。※末摘花は紅花、赤い花🌷→赤い鼻👃