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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語721 第22帖 玉鬘21〈たまかずら〉】「源氏の大臣には、紫の上様や、 その他の奥様もいらっしゃるのでしょう。 本当のお父様の大臣へお知らせする方法を 考えてください」とおとどが言う。


「こんなすぐれたお生まれつきの方を、

 もう一歩で暗い世界へお沈めしてしまうところでしたよ。

 惜しくてもったいなくて、

 家も財産も捨てて頼りにしてよい息子にも娘にも別れて、

 今ではかえって知らぬ他国のような心細い気のする京へ

 帰って来たのですよ。

 あなた、どうぞいい智慧《ちえ》を出してくだすって、

 姫君の御運を開いてあげてくださいまし。

 貴族のお家に仕えておいでになる方は、

 便宜がたくさんあるでしょう。

 お父様の大臣が姫君をお認めくださいますように

 計らってくださいまし」

 とおとどは言うのであった。

姫君は恥ずかしく思って後ろを向いていた。

「それがね、私はつまらない者ですけれど、

 殿様がおそばで使っていてくださいますからね、

 昔のいろいろな話を申し上げる中で、

 どうなさいましたろうと私が姫君のことをよく申すものですから、

 殿様が、ぜひ自分の所へ引き取りたく思う。

 居所を聞き込んだら知らせるがいいとおっしゃるのですよ」

「源氏の大臣様はどんなにおりっぱな方でも、

 今のお話のようなよい奥様や、

 そのほかの奥様も幾人《いくたり》かいらっしゃるのでしょう。

 それよりもほんとうのお父様の大臣へお知らせする方法を

 考えてください」

 とおとどが言うのを聞いて、右近ははじめて夕顔夫人を愛して、

死の床に泣いた人の源氏であったことを話した。

🪻🎼#千歳の如く written by #すもち  

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