五節の舞い姫は皆とどまって
宮中の奉仕をするようとの仰せであったが、
いったんは皆退出させて、
近江守《おうみのかみ》のは唐崎《からさき》、
摂津守の子は浪速で祓いをさせたいと願って自宅へ帰った。
大納言も別の形式で宮仕えに差し上げることを奏上した。
左衛門督《さえもんのかみ》は娘でない者を
娘として五節に出したということで問題になったが、
それも女官に採用されることになった。
惟光《これみつ》は典侍《ないしのすけ》の職が
一つあいてある補充に娘を採用されたいと申し出た。
源氏もその希望どおりに
優遇をしてやってもよいという気になっていることを、
若君は聞いて残念に思った。
自分がこんな少年でなく、
六位級に置かれているのでなければ、
女官などにはさせないで、
父の大臣に乞《こ》うて同棲を黙認してもらうのであるが、
現在では不可能なことである。
恋しく思う心だけも知らせずに終わるのかと、
たいした思いではなかったが、
雲井の雁を思って流す涙といっしょに、
そのほうの涙のこぼれることもあった。
💐🎼甘い夢の一つ written by のる
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