深夜の澄んだ気の中であったから、非常に美しく聞こえた。
入道は感動して、
娘へも促すように自身で十三絃の琴を
几帳《きちょう》の中へ差し入れた。
女もとめどなく流れる涙に誘われたように、低い音で弾き出した。
きわめて上手である。
入道の宮の十三絃の技は現今第一であると思うのは、
はなやかにきれいな音で、聞く者の心も朗らかになって、
弾き手の美しさも目に髣髴《ほうふつ》と描かれる点などが
非常な名手と思われる点である。
これはあくまでも澄み切った芸で、
真の音楽として批判すれば
一段上の技倆《ぎりょう》があるとも言えると、
こんなふうに源氏は思った。
🌸🎼辺の夜桜 written by のる🌸
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