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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

2024-10-26から1日間の記事一覧

【平家物語136 文覚被流⑤〈もんがくのながされ〉】「わしは決して人をだましたり、からかったりせぬ。この文覚、清水の観音を深く信じ頼りにしているものじゃ、わしの知合いは観音以外にないのじゃよ」 

「お坊様もこれからの長旅、難儀なさいますが、 われわれがお傍にある以上ご心配はいりませんぜ。 まあ、こうした点でですな、依怙贔屓《えこひいき》と言っちゃ聞えが悪いが、 われわれもお坊様のことではあり、道中十分に気を配るつもりですがね。 そこで…

【10分で聴く平家物語135 文覚被流④〈もんがくのながされ〉】大赦があり、文覚もこの恩恵に浴し出獄したが、平然たる面持で再び勧進帳を京の街に読み、諸方に寄進すべき檀那を求め歩き廻っていた。

この頃、美福門院がおかくれになったので大赦があり、 牢につながれた文覚もこの恩恵に浴し、出獄した。 しかし文覚は、遠くの山にでも行って修行でもなされば、 という声には一向馬耳東風、平然たる面持で再び例の勧進帳を京の街に読み、 諸方に寄進すべき…

【平家物語134】 文覚被流③〈もんがくのながされ〉】文覚を引き立てようとすると、文覚は焔を吐くような眼で御所の方をにらむと、大音声をあげた。怒鳴りながら憤怒の形相で躍り上る、夜叉のような姿である

一歩すざった安藤武者は、 ここで血を流してはまずかろうと咄嗟《とっさ》に思案して太刀を取り直すや、 峰打ちを文覚の右腕にくれた。 打たれてひるんだ文覚に、太刀をがらりと捨てた安藤武者が組みついた。 両人ともに剛力のものである。 互にえいおうと力…

【平家物語133】 文覚被流②〈もんがくのながされ〉】氷の刃が光る、抜身を構えた文覚は近寄るものあらば刺さんという態度である。右の手に刀、左手に勧進帳振りかざす文覚は、あたかも両刀を操るように見える。

「無礼者め、とっとと出て失せい」 その姿をにらまえた文覚、 「高雄の神護寺へ、荘園一つご寄進頂かぬ限りは、退出いたさぬ」 という。かっとなった資行判官は、 つかつかと文覚に近寄ると衿首《えりくび》つかんで外へ突き出そうとした。 と、文覚は手にし…

【平家物語132】 文覚被流①〈もんがくのながされ〉】 後白河法皇の御前で皆が楽しんでた時、文覚の音声とどろく勧進帳の読みである。繊細を尊しとした温室育ちの殿上人の声などはひとたまりもなかった。

このとき後白河法皇の御前では賑やかに楽が奏されていた。 妙音院の太政大臣は琵琶を弾じながら詩歌をみごとに朗詠していた。 按察使《あぜち》の大納言|資賢《すけかた》は和琴《わごん》を鳴らし、 その子|右馬頭資時《うまのかみすけとき》は風俗《ふう…

【平家物語第5巻 勧進帳②】生来不敵、筋金入りの荒法師であったから、絃が鳴り渡る中で、「法皇は大慈大悲の君であられる、これをお聞き入られぬはずはない」と勧進帳を引きひろげると、声高らかに読み始めた。

生来不敵、筋金入りの荒法師であったから、 誰も取りつがぬものときめてずかずか中庭に踏みこんだ。 もとより御前の礼儀作法は知らぬ。 よし知っていたにせよ頓着する男ではない。 絃が鳴り渡る中で、 「法皇は大慈大悲の君であられる、これしきのことをお聞…