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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

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【平家物語133】 文覚被流②〈もんがくのながされ〉】氷の刃が光る、抜身を構えた文覚は近寄るものあらば刺さんという態度である。右の手に刀、左手に勧進帳振りかざす文覚は、あたかも両刀を操るように見える。

「無礼者め、とっとと出て失せい」

 その姿をにらまえた文覚、

「高雄の神護寺へ、荘園一つご寄進頂かぬ限りは、退出いたさぬ」

 という。かっとなった資行判官は、

つかつかと文覚に近寄ると衿首《えりくび》つかんで外へ突き出そうとした。

と、文覚は手にした勧進帳を取り直すと烏帽子《えぼし》をいきなり叩き落し、

虚をつかれた資行の胸もとを拳で突き飛ばした。

資行はばったりのけぞって倒れた。

起き上ると恐怖にかられたのか広縁に逃げあがった。

 そしておもむろに懐に手を入れた文覚は

、馬の尾で柄を巻いた刀を出すと鞘《さや》をはらった。

氷の刃がぎらっと光る、抜身を構えた文覚は近寄るものあらば刺さんという態度である。

これを取り押えようとする者との間に大立廻りが始まったが、

右の手に刀、左手に勧進帳振りかざす文覚は、あたかも両刀を操るように見える。

荒れ廻る文覚に御遊も琵琶もあったものではない。院は大混乱となった。

 その時、武者所《むしゃどころ》にあった信濃国の住人安藤武者右宗は、

この騒ぎ何事ぞ、と太刀を抜いて走ってきた。

これを見た文覚は目を輝かすと勇んで飛びかかった。

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