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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語 744 第23帖 初音3】明石の御方より 五葉の枝に作り物の鶯が止まらせてあって、それに手紙が付けられてある。年月を まつに引かれて ふる人に 今日 鶯の 初音聞かせよ 子を想う母心😢

うす氷 解けぬる池の 鏡には

世にたぐひなき 影ぞ並べる

これほど真実なことはない。

二人は世に珍しい麗質の夫婦である。

曇りなき 池の鏡に よろづ代を

すむべき影ぞ しるく見えける

と夫人は言った。

どの場合、何の言葉にもこの二人は長く変わらぬ愛を誓い合うのであった。

 ちょうど元日が子《ね》の日にあたっていたのである。

千年の春を祝うのにふさわしい日である。

姫君のいる座敷のほうへ行ってみると、

童女や下仕えの女が前の山の小松を抜いて遊んでいた。

そうした若い女たちは新春の喜びに満ち足らったふうであった。

北の御殿からいろいろときれいな体裁に作られた菓子の髭籠《ひげかご》と、

料理の破子《わりご》詰めなどがここへ贈られて来た。

よい形をした五葉の枝に作り物の鶯《うぐいす》が止まらせてあって、

それに手紙が付けられてある。

年月を まつに引かれて 経《ふ》る人に

今日《けふ》鶯の 初音《はつね》聞かせよ

「音せぬ里の」(今日だにも初音聞かせよ鶯の音せぬ里は住むかひもなし)

と書かれてあるのを読んで、

源氏は身にしむように思った。正月ながらもこぼれてくる涙をどうしようもないふうであった。

 

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