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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語713 第22帖 玉鬘13〈たまかずら〉】あとの客も、遠慮深く静かで、双方ともつつましい相い客になっていた。このあとから来た女というのは、姫君を片時も忘れずに恋しがっている右近であった。

僧の言ったとおりに参詣者の一団が町へはいって来た。

これも徒歩で来たものらしい。

主人らしいのは二人の女で召使の男女の数は多かった。

馬も四、五匹引かせている。

目だたぬようにしているが、

きれいな顔をした侍などもついていた。

主人の僧は先客があっても

その上にどうかしてこの連中を泊めようとして、

道に出て頭を掻《か》きながら、

ひょこひょこと追従《ついしょう》をしていた。

かわいそうな気はしたが、

また宿を変えるのも見苦しいことであるし、

面倒《めんどう》でもあったから、

ある人々は奥のほうへはいり、

残りの人々はまた見えない部屋のほうへやったりなどして、

姫君と女房たちとだけはもとの部屋の片すみのほうへ寄って、

幕のようなもので座敷の仕切りをして済ませていた。

あとの客も無作法な人たちではなかった。

遠慮深く静かで、双方ともつつましい相い客になっていた。

このあとから来た女というのは、

姫君を片時も忘れずに恋しがっている右近であった。

年月がたつにしたがって、

いつまでも続けている女房勤めも気がさすように思われて、

煩悶《はんもん》のある心の慰めに、

この寺へたびたび詣《まい》っているのである。

長い間の経験で

徒歩の旅を大儀とも何とも思っているのではなかったが、

さすがに足はくたびれて横になっていた。

🌸🎼ある春の日に…(One spring day...) written by 蒲鉾さちこ 

 

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