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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

2024-07-12から1日間の記事一覧

【源氏物語712 第22帖 玉鬘12〈たまかずら〉】姫君は母の顔を覚えていない。こうした苦難に身を置いて、いっそう親というものの恋しさが感ぜられるのであった。ようやく椿市《つばいち》という所着いた。

姫君は母の顔を覚えていなかった。 ただ漠然《ばくぜん》と親というものの面影を 今日《きょう》まで心に作って来ているだけであったが、 こうした苦難に身を置いては、 いっそう親というものの恋しさが切実に感ぜられるのであった。 ようやく椿市《つばいち…

【源氏物語711 第22帖 玉鬘11 】豊後介は姫君に長谷詣でを勧めた。徒歩で行くことにさせたのである。かつて経験しない長い路を歩くことは姫君に苦しかったが、つらさを忍んで夢中で歩いて行った。

「神仏のお力にすがれば きっと望みの所へ導いてくださるでしょうから、 お詣《まい》りをなさるがいいと思います。 ここから近い八幡《やわた》の宮は九州の松浦、 箱崎《はこざき》と同じ神様なのですから、 あちらをお立ちになる時、お立てになった願もあ…

【源氏物語710 第22帖 玉鬘10〈たまかずら〉】「私などのことは何でもありません‥姫君をああした野蛮な連中に取られてしまえば、 精神的に死んでしまったのも同然ですよ」と豊後介は慰めるのであった。

九条に昔知っていた人の残っていたのを捜し出して、 九州の人たちは足どまりにした。 ここは京の中ではあるが はかばかしい人の住んでいる所でもない町である。 外で働く女や商人の多い町の中で、 悲しい心を抱いて暮らしていたが、 秋になるといっそう物事…