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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

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【源氏物語577 第19帖 薄雲8】姫君を手放すことでどんなに苦悶していることかと思うと哀れで、一夜がかりで源氏は慰め明かした。忍びきれずに泣く明石の上が哀れであった。

この雪が少し解けたころに源氏が来た。

平生は待たれる人であったが、

今度は姫君をつれて行かれるかと思うことで、

源氏の訪れに胸騒ぎのする明石であった。

自分の意志で決まることである、

謝絶すればしいてとはお言いにならないはずである、

自分がしっかりとしていればよいのであると、

こんな気も明石はしたが、

約束を変更することなどは軽率に思われることであると反省した。

美しい顔をして前にすわっている子を見て源氏は、

この子が間に生まれた明石と自分の因縁は

並み並みのものではないと思った。

今年から伸ばした髪がもう肩先にかかるほどになっていて、

ゆらゆらとみごとであった。

顔つき、目つきのはなやかな美しさも類のない幼女である。

これを手放すことでどんなに苦悶していることかと思うと哀れで、

一夜がかりで源氏は慰め明かした。

「いいえ、それでいいと思っております。

 私の生みましたという傷も隠されてしまいますほどに

 してやっていただかれれば」

と言いながらも、忍びきれずに泣く明石が哀れであった。

❄️🎼YUKIGUNI written by ハヤシユウ

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