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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

2023-05-27から1日間の記事一覧

【源氏物語172 第九帖 葵45】涙を流し悲しむ左大臣を力づける源氏

しばらくして源氏の居間へ大臣が出て来た。 非常に悲しんで、 袖を涙の流れる顔に当てたままである。 それを見る女房たちも悲しかった。 人生の悲哀の中に包まれて泣く源氏の姿は、 そんな時も艶《えん》であった。 大臣はやっとものを言い出した。 「年を取…

【源氏物語170 第九帖 葵43】源氏は命の儚さと涙する。葵上が可愛がっていた童女も泣く。黒い子供用の衣装に樺色の袴も可憐であった。

源氏はだれにも同情の目を向けながら、 「すっかりよその人になるようなことがどうしてあるものか。 私をそんな軽薄なものと見ているのだね。 気長に見ていてくれる人があればわかるだろうがね。 しかしまた私の命がどうなるだろう、その自信はない」 と言っ…

【源氏物語169 第九帖 葵42】左大臣家での語らい。気のおけぬ女房達と妻の思い出を共有する。紫の姫君には父親のような感情を持つ源氏

あまりに非凡な女は自身の持つ才識が かえって禍《わざわ》いにもなるものであるから、 西の対の姫君をそうは教育したくないとも思っていた。 自分が帰らないことで どんなに寂しがっていることであろうと、 紫の女王のあたりが恋しかったが、 それはちょう…

朝顔の女王に手紙を送る【源氏物語168 第九帖 葵41】冷静で情味がある女王との友愛は永久なものと思われる。

源氏はまだつれづれさを紛らすことができなくて、 朝顔の女王へ、情味のある性質の人は 今日の自分を 哀れに思ってくれるであろうという頼みがあって手紙を書いた。 もう暗かったが使いを出したのである。 親しい交際はないが、 こんなふうに時たま手紙の来…

【源氏物語167 第九帖 葵40】左大臣家は光を失ったようである。撫子に例えられた幼児は花のようである。

ただ一人の人がいなくなっただけであるが、 家の中の光明をことごとく失ったように だれもこのごろは思っているのである。 源氏は枯れた植え込みの草の中に 竜胆《りんどう》や撫子《なでしこ》の咲いているのを見て、 折らせたのを、中将が帰ったあとで、 …

【源氏物語166 第九帖 葵39】源氏の美しさに 先だって死んだ場合に女の魂は離れていくまいと中将は思った。

「相逢相失両如夢《あひあひあひうしなふふたつながらゆめのごとし》、 為雨為雲今不知《あめとやなるくもとやなるいまはしらず》」 と口ずさみながら頬杖《ほおづえ》をついた源氏を、 女であれば先だって死んだ場合に魂は必ず離れて行くまいと 好色な心に…