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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語628 第20帖 朝顔10】源氏は朝顔の姫君に手紙を送り続ける。姫君は、冷静であり 友情以上の気持ちはなく 恋愛をする年でもないと 心動くことはなかった。

今になってまた若々しい恋の手紙を人に送るようなことも

似合わしくないことであると源氏は思いながらも、

昔から好意も友情もその人に持たれながら、

恋の成り立つまでにはならなかったのを思うと、

もうあとへは退《ひ》けない気になっていて、

再び情火を胸に燃やしながら心をこめた手紙を続いて送っていた。

東の対のほうに離れていて、

前斎院の宣旨を源氏は呼び寄せて相談をしていた。

 

女房たちのだれの誘惑にもなびいて行きそうな人々は

狂気にもなるほど源氏をほめて夢中になっているこんな家の中で、

朝顔の女王だけは冷静でおありになった。

お若い時すらも友情以上のものを

この人にお持ちにならなかったのであるから、

今はまして自分もその人も恋愛などをする年ではなくなっていて、

花や草木のことの言われる手紙にも

すぐに返事を出すようなことは人の批評することがうるさいと、

それも遠慮をされるようになって

いつまでたってもお心の動く様子はなかった。

💐🎼#隠れた社 by#shimtone

 

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【源氏物語627 第20帖 朝顔9】源氏は朝顔に手紙をつけて朝顔の姫君に贈る。姫君からは、「秋にふさわしい花をお送りくださったことで ももの哀れな気持ちになっています」と言った返事があった。

不満足な気持ちで帰って行った源氏は

ましてその夜が眠れなかった。

早く格子を上げさせて源氏は庭の朝霧をながめていた。

枯れた花の中に朝顔が

左右の草にまつわりながらあるかないかに咲いて、

しかも香さえも放つ花を折らせた源氏は、

前斎院へそれを贈るのであった。

 

あまりに他人らしくお扱いになりましたから、

きまりも悪くなって帰りましたが、

哀れな私の後ろ姿を

どうお笑いになったことかと口惜しい気もしますが、

しかし、

見し折りの つゆ忘られぬ  朝顔の

花の盛りは 過ぎやしぬらん

どんなに長い年月の間あなたを

お思いしているかということだけは

知っていてくださるはずだと思いまして、

私は歎《なげ》きながらも希望を持っております。

 

という手紙を源氏は書いたのである。

真正面から恋ばかりを言われているのでもない中年の源氏の

おとなしい手紙に対して、

返事をせぬことも感情の乏しい女と思われることであろうと

女王もお思いになり、

女房たちもそう思って硯《すずり》の用意などしたので

お書きになった。

秋はてて 霧の籬《まがき》に むすぼほれ

あるかなきかに うつる朝顔

秋にふさわしい花をお送りくださいましたことででも

もの哀れな気持ちになっております。

 

とだけ書かれた手紙はたいしておもしろいものでもないはずであるが、

源氏はそれを手から放すのも惜しいようにじっとながめていた。

青鈍《あおにび》色の柔らかい紙に書かれた字は美しいようであった。

書いた人の身分、書き方などが補ってその時はよい文章、

よい歌のように思われたことも、

改めて本の中へ書き載せると つたない点の現われてくるものであるから、

手紙の文章や歌というようなものは、

この話の控え帳に筆者は大部分省くことにしていたので、

採録したものにも書き誤りがあるであろうと思われる。

🪷🎼#漂う梅花の香 written by#alaki paca

 

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【源氏物語626 第20帖 朝顔8】朝顔の姫君に袖にされた源氏。「あまりに哀れに自分が見えすぎますから」と深い歎息《たんそく》をしながら源氏は帰った。女房の宣旨は源氏に同情をした。

なべて世の 哀ればかりを 問ふからに

誓ひしことを 神やいさめん

と斎院のお歌が伝えられる。

「そんなことをおとがめになるのですか。

 その時代の罪は皆 科戸《しなど》の風に追

 ってもらったはずです」

 源氏の愛嬌《あいきょう》はこぼれるようであった。

「この御禊《みそぎ》を神は

(恋せじとみたらし川にせし

 御禊《みそぎ》神は受けずもなりにけるかな)

 お受けになりませんそうですね」

宣旨は軽く戯談《じょうだん》にしては言っているが、

心の中では非常に気の毒だと源氏に同情していた。

羞恥《しゅうち》深い女王は

次第に奥へ身を引いておしまいになって、

もう宣旨にも言葉をお与えにならない。

「あまりに哀れに自分が見えすぎますから」

と深い歎息《たんそく》をしながら源氏は立ち上がった。

「年が行ってしまうと恥ずかしい目にあうものです。

 こんな恋の憔悴《しょうすい》者に

 せめて話を聞いてやろうという寛大な気持ち

 をお見せになりましたか。そうじゃない」

こんな言葉を女房に残して源氏の帰ったあとで、

女房らはどこの女房も言うように源氏をたたえた。

空の色も身にしむ夜で、木の葉の鳴る音にも昔が思われて、

女房らは古いころからの源氏との交渉のあった

ある場面場面のおもしろかったこと、

身に沁《し》んだことも心に浮かんでくると言って

斎院にお話し申していた。

💐#夕風と君 written by #のる

 

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