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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語668 第21帖 乙女23】大臣は「年若いとはいえ、あまりに幼稚な心を持っている貴女とは知らないで、娘としての人並みの未来を考えていたのだ。私のほうが廃《すた》り物になった気がする」と言う。

姫君は何も知らずにいた。

のぞいた居間に

可憐な美しい顔をして姫君がすわっているのを見て、

大臣の心に父の愛が深く湧《わ》いた。

「いくら年が行かないからといって、

 あまりに幼稚な心を持っているあなただとは知らないで、

 われわれの娘としての人並みの未来を

 私はいろいろに考えていたのだ。

 あなたよりも私のほうが廃《すた》り物になった気がする」

と大臣は言って、

それから乳母《めのと》を責めるのであった。

乳母は大臣に対して何とも弁明ができない。

ただ、

「こんなことでは大事な内親王様がたにも

 あやまちのあることを昔の小説などで読みましたが、

 それは御信頼を裏切るおそばの者があって、

 男の方のお手引きをするとか、

 また思いがけない隙《すき》ができたとかいうことで

 起きるのですよ。

 こちらのことは何年も

 始終ごいっしょに遊んでおいでになった間なんですもの。

 お小さくはいらっしゃるし宮様が寛大にお扱いになる以上に

 われわれがお制しすることはできないと

 そのままに見ておりましたけれど、

 それも一昨年ごろからははっきりと

 日常のことが御区別できましたし、

 またあの方が同じ若い人といっても

 だらしのない不良なふうなどは少しもない方なのでしたから、

 まったく油断をいたしましたわね」

などと自分たち仲間で なげいているばかりであった。

🪷🎼私達の旅路 written by のる

 

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