さすがによそながら巡り合うだけの宿命に
つながれていることはわかるのであったが、
笑って行った侍さえ幸福に輝いて見える日に、
罪障の深い自分は何も知らずに来て
恥ずかしい思いをするのであろうと思い続けると
悲しくばかりなった。
深い緑の松原の中に花紅葉が撒《ま》かれたように見えるのは
袍《ほう》のいろいろであった。
赤袍は五位、浅葱《あさぎ》は六位であるが、
同じ六位も蔵人《くろうど》は青色で目に立った。
加茂の大神を恨んだ右近丞《うこんのじょう》は
靫負《ゆぎえ》になって、
随身をつれた派手な蔵人になって来ていた。
良清《よしきよ》も同じ靫負佐《ゆぎえのすけ》になって
はなやかな赤袍の一人であった。
🪷🎼忘れられた場所 written by ハシマミ 🪷
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