何ほども遠くなってはいないのであるが、
ともかくも須磨の関が中にあることになってからは、
京の女王がいっそう恋しくて、
どうすればいいことであろう、
短期間の別れであるとも思って捨てて来たことが残念で、
そっとここへ迎えることを実現させてみようかと
時々は思うのではあるが、
しかしもうこの境遇に置かれていることも
先の長いことと思われない今になって、
世間体のよろしくないことは
やはり忍ぶほうがよいのであるとして、
源氏はしいて恋しさをおさえていた。
🌷🎼離れない迷い written by Fukagawa🌷
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