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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語771 第24帖 胡蝶15 〈こちょう〉】庭の若楓と柏の木が繁り、何とはなしに爽快な気がするのを眺めながら、源氏は「和しまた清し」と詩の句を口ずさんでいたが、玉鬘の豊麗な容貌が、思い出され西の対へ行く。

気にかかる玉鬘を源氏はよく見に行った。

しめやかな夕方に、

前の庭の若楓《わかかえで》と柏《かしわ》の木がはなやかに繁り合っていて、

何とはなしに爽快《そうかい》な気のされるのをながめながら、

源氏は「和しまた清し」と詩の句を口ずさんでいたが、

玉鬘の豊麗な容貌《ようぼう》が、それにも思い出されて、西の対へ行った。

手習いなどをしながら気楽な風でいた玉鬘が、

起き上がった恥ずかしそうな顔の色が美しく思われた。

その柔らかいふうにふと昔の夕顔が思い出されて、

源氏は悲しくなったまま言った。

「あなたにはじめて逢《あ》った時には、

こんなにまでお母様に似ているとは見えなかったが、

それからのちは時々あなたをお母様だと思うことがあるのですよ。

その点ではずいぶん私を悲しがらせるあなただ。

中将が少しも死んだ母に似た所がないものだから、

親子というものはそれくらいのものかと思っていましたがね、

あなたのような人もまたあるのですね」

 涙ぐんでいるのであった。

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