「あなたのお言葉がなくてもむろん私は父と変わらない心で
斎宮を思っているのですから、
ましてあなたが御病中にもこんなに御心配になって
私へお話しになることは、
どこまでも責任を持ってお受け合いします。
気がかりになどは少しもお思いになることはありませんよ」
などと源氏が言うと、
「でもなかなかお骨の折れることでございますよ。
あとを頼まれた人がほんとうの父親であっても、
それでも母親のない娘は
心細いことだろうと思われますからね。
まして恋人の列になどお入れになっては、
思わぬ苦労をすることでしょうし、
またほかの方を不快にもさせることだろうと思います。
悪い想像ですが決してそんなふうにお取り扱いにならないでね。
私自身の経験から、
あの人は恋愛もせず一生処女でいる人にさせたいと思います」
御息所はこう言った。
🌼🎼ふりつむ悲しみ written by のる🌼
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