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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

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葵上は冷たくなってしまった【源氏物語158 第九帖 葵31】あらゆる蘇生法を試すものの 葵上は亡骸であることを証明するだけであった。


これまで物怪《もののけ》のために

一時的な仮死状態になったことも

たびたびあったのを思って、

死者として枕を直すこともなく、

二、三日はなお病夫人として寝させて、

蘇生《そせい》を待っていたが、

時間はすでに亡骸《なきがら》であることを証明するばかりであった。

もう死を否定してみる理由は何一つないことをだれも認めたのである。

源氏は妻の死を悲しむとともに、

人生の《いと》わしさが深く思われて、

所々から寄せてくる弔問の言葉も、

どれもうれしく思われなかった。

院もお悲しみになってお使いをくだされた。

大臣は娘の死後の光栄に感激する涙も流しているのである。

 

人の忠告に従い蘇生の術として、

それは遺骸《いがい》に対して

傷《いた》ましい残酷な方法で行なわれることまでも大臣はさせて、

娘の息の出てくることを待っていたが皆だめであった。

もう幾日かになるのである。

いよいよ夫人を鳥辺野《とりべの》の火葬場へ送ることになった。

こうしてまた人々は悲しんだのである。

左大臣の愛嬢として、

源氏の夫人として葬送の式に列《つらな》る人、

念仏のために集められた寺々の僧、

そんな人たちで鳥辺野がうずめられた。

院はもとよりのこと、 お后方、東宮から賜わった御使いが

次々に葬場へ参着して弔詞を読んだ。

悲しみにくれた大臣は立ち上がる力も失っていた。

 

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【第十帖 葵(あおい)】

桐壺帝が譲位し、源氏の兄の朱雀帝が即位する。

藤壺中宮の若宮が東宮となり、

源氏は東宮の後見人となる。

また、六条御息所と前東宮の娘

(後の秋好中宮)が斎宮となった。

 

賀茂祭の御禊(賀茂斎院が加茂川の河原で禊する)の日、

源氏も供奉のため参列する。

その姿を見ようと

身分を隠して見物していた六条御息所の一行は、

同じくその当時懐妊して体調が悪く

気晴らしに見物に来ていた源氏の正妻・葵の上の一行と、

見物の場所をめぐっての車争いを起こす。

 

葵の上の一行の権勢にまかせた乱暴によって

六条御息所の牛車は破損、

御息所は見物人であふれる一条大路で

恥をかかされてしまう。

大臣の娘で元東宮妃である御息所にとって

これは耐え難い屈辱で、彼女は葵の上を深く恨んだ。

役目を終え、左大臣邸に行った源氏は、

事の一部始終を聞かされ驚愕。

御息所の屋敷へ謝罪に向かうが、門前払いされた。

 

勅使の役目を終え、久々の休日。

源氏は紫の君を伴い、賀茂祭へ。

相変わらずの混雑振りに、

惟光は牛車を停める場所を探すのに難儀していたが、

そこへ手招きする別の牛車が。

場所を譲ってくれた礼を言おうと、

顔を覗き込んだら、車の主は源典侍だった。

がっくりする源氏。

 

その後葵の上は、病の床についてしまう。

それは六条御息所の生霊の仕業だった。

源氏も苦しむ葵の上に付き添ったが、

看病中に御息所の生霊を目撃してしまい愕然とする。

 

8月の中ごろに葵の上は難産のすえ男子(夕霧)を出産するが、

数日後の秋の司召の夜に容体が急変し亡くなった。

 

同じ頃。御息所は、いく度髪を洗っても衣を変えても、

自身の体に染み付いた魔除けの芥子の香りが消えないことに、

愕然としていた。

女房からの知らせで、葵の上の訃報を知り、青ざめる。

 

火葬と葬儀は8月20日過ぎに行われた。

葵の上の四十九日が済んだ後、

源氏は夕霧の養育を左大臣家に託した。

 

源氏は二条院に戻り、

美しく成長した紫の君と密かに結婚する。

突然のことに紫の上は衝撃を受けて

すっかりふさぎこみ口をきこうともしなかったが、

源氏はこれを機に彼女の素性を父兵部卿宮と

世間に公表することにした

 

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