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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

2023-05-26から1日間の記事一覧

中将(三位中将)が訪ねてくれる【源氏物語165 第九帖 葵38】鈍色の装束から今までのよりは薄い色に着替えた。

日を取り越した法会《ほうえ》はもう済んだが、 正しく四十九日まではこの家で暮らそうと源氏はしていた。 過去に経験のない独り棲《ず》みをする源氏に同情して、 現在の三位《さんみ》中将は始終 訪ねて来て、 世間話も多くこの人から源氏に伝わった。 ま…

【源氏物語164 第九帖 葵37】御息所の悩みは深く健康もすぐれない。御息所のいる野宮には風流人が集まるようになった。

院はどう思召《おぼしめ》すだろう。 前皇太弟とは御同胞といっても取り分けお睦まじかった、 斎宮の将来のことも院へお頼みになって 東宮は御隠れになったので、 その時代には 第二の父になってやろうという仰せがたびたびあって、 そのまままた御所で 後宮…

六条御息所からの手紙に返事を書く【源氏物語163 第九帖 葵36】なぜ御息所の生霊を見てしまったのだろうと思う源氏

平生よりもいっそうみごとに書かれた字であると 源氏はさすがにすぐに下へも置かれずにながめながらも、 素知らぬふりの慰問状であると思うと恨めしかった。 たとえあのことがあったとしても絶交するのは残酷である、 そしてまた名誉を傷つけることになって…

【源氏物語162 第九帖 葵35】人の世を 哀れときくも 露けきに おくるる露を 思ひこそやれ‥六条御息所から手紙が来る

夜は帳台の中へ一人で寝た。 侍女たちが夜の宿直におおぜいでそれを巡ってすわっていても、 夫人のそばにいないことは限りもない寂しいことであった。 「時しもあれ 秋やは人の別るべき 有るを見るだに 恋しきものを」 こんな思いで源氏は寝ざめがちであった…

【源氏物語161 第九帖 葵34】源氏は悲嘆に暮れる。母の宮様は悲しみのために寝付いてしまう。

欠点の多い娘でも死んだあとでの親の悲しみは どれほど深いものかしれない、 まして母君のお失いになったのは、 貴女《きじょ》として 完全に近いほどの姫君なのであるから、 このお歎きは至極道理なことと申さねばならない。 ただ姫君が一人であるというこ…

【源氏物語160 第九帖 葵33】もし自分が先に死んでいたら妻はこれより濃い喪服を着てなげいるだろうと思っても、悲しみが湧き上がってくる。

淡鈍《うすにび》色の喪服を着るのも夢のような気がした。 もし自分が先に死んでいたら、 妻はこれよりも濃い色の喪服を着て 歎いているであろうと思っても また源氏の悲しみは湧き上がってくるのであった。 限りあれば うす墨衣浅けれど 涙ぞ袖を 淵《ふち…