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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

御禊の日 運命は狂い出す【源氏物語131 第九帖 葵4】葵上は懐妊中であるが母宮の勧めで 西院の禊の行列を見物に行く。

そのころ前代の加茂《かも》の斎院《さいいん》が

おやめになって皇太后腹の院の女三の宮が新しく斎院に定まった。

 

院も太后もことに愛しておいでになった内親王であるから、

神の奉仕者として常人と違った生活へおはいりになることを

御親心に苦しく思召《おぼしめ》したが、

ほかに適当な方がなかったのである。

 

斎院就任の初めの儀式は 古くから決まった神事の一つで

簡単に行なわれる時もあるが、

今度はきわめて派手なふうに行なわれるらしい。

斎院の御勢力の多少にこんなこともよるらしいのである。

 

御禊《ごけい》の日に供奉《ぐぶ》する大臣は

定員のほかに特に宣旨があって源氏の右大将をも加えられた。

物見車で出ようとする人たちは、

その日を楽しみに思い晴れがましくも思っていた。  

 

二条の大通りは物見の車と人とで隙《すき》もない。

あちこちにできた桟敷は、しつらいの趣味のよさを競って、

御簾《みす》の下から出された女の袖口にも 特色がそれぞれあった。

 

祭りも祭りであるがこれらは見物する価値を十分に持っている。

左大臣家にいる葵夫人は

そうした所へ出かけるようなことはあまり好まない上に、

生理的に悩ましいころであったから、

見物のことを、念頭に置いていなかったが、

「それではつまりません。

 私たちどうしで見物に出ますのではみじめで張り合いがございません、

 今日はただ大将様をお見上げすることに興味が集まっておりまして、

 労働者も遠い地方の人までも、

 はるばると妻や子をつれて京へ上って来たりしておりますのに

 奥様がお出かけにならないのはあまりでございます」

と女房たちの言うのを母君の宮様がお聞きになって、

「今日はちょうどあなたの気分もよくなっていることだから。

 出ないことは女房たちが物足りなく思うことだし、

 行っていらっしゃい」

こうお言いになった。

それでにわかに供廻《ともまわ》を作らせて、

葵夫人は御禊《みそぎ》の行列の物見車の人となったのである。

 

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【第十帖 葵(あおい)】

桐壺帝が譲位し、源氏の兄の朱雀帝が即位する。

藤壺中宮の若宮が東宮となり、

源氏は東宮の後見人となる。

また、六条御息所と前東宮の娘

(後の秋好中宮)が斎宮となった。

 

賀茂祭の御禊(賀茂斎院が加茂川の河原で禊する)の日、

源氏も供奉のため参列する。

その姿を見ようと

身分を隠して見物していた六条御息所の一行は、

同じくその当時懐妊して体調が悪く

気晴らしに見物に来ていた源氏の正妻・葵の上の一行と、

見物の場所をめぐっての車争いを起こす。

 

葵の上の一行の権勢にまかせた乱暴によって

六条御息所の牛車は破損、

御息所は見物人であふれる一条大路で

恥をかかされてしまう。

大臣の娘で元東宮妃である御息所にとって

これは耐え難い屈辱で、彼女は葵の上を深く恨んだ。

役目を終え、左大臣邸に行った源氏は、

事の一部始終を聞かされ驚愕。

御息所の屋敷へ謝罪に向かうが、門前払いされた。

 

勅使の役目を終え、久々の休日。

源氏は紫の君を伴い、賀茂祭へ。

相変わらずの混雑振りに、

惟光は牛車を停める場所を探すのに難儀していたが、

そこへ手招きする別の牛車が。

場所を譲ってくれた礼を言おうと、

顔を覗き込んだら、車の主は源典侍だった。

がっくりする源氏。

 

その後葵の上は、病の床についてしまう。

それは六条御息所の生霊の仕業だった。

源氏も苦しむ葵の上に付き添ったが、

看病中に御息所の生霊を目撃してしまい愕然とする。

 

8月の中ごろに葵の上は難産のすえ男子(夕霧)を出産するが、

数日後の秋の司召の夜に容体が急変し亡くなった。

 

同じ頃。御息所は、いく度髪を洗っても衣を変えても、

自身の体に染み付いた魔除けの芥子の香りが消えないことに、

愕然としていた。

女房からの知らせで、葵の上の訃報を知り、青ざめる。

 

火葬と葬儀は8月20日過ぎに行われた。

葵の上の四十九日が済んだ後、

源氏は夕霧の養育を左大臣家に託した。

 

源氏は二条院に戻り、

美しく成長した紫の君と密かに結婚する。

突然のことに紫の上は衝撃を受けて

すっかりふさぎこみ口をきこうともしなかったが、

源氏はこれを機に彼女の素性を父兵部卿宮と

世間に公表することにした。

 

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