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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

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【源氏物語204 第十帖 賢木16】源氏は厭世的になり僧になろうかとも思うが、守るべき人たちのことを考えると実現できることではなかった。

💠🎼追憶 💠 music by しゃろう

崩御後の御仏事なども多くの御遺子たちの中で

源氏は目だって誠意のある弔い方をした。

それが道理ではあるが源氏の孝心に同情する人が多かった。

喪服姿の源氏がまた限りもなく清く見えた。

去年今年と続いて不幸にあっていることについても

源氏の心は厭世《えんせい》的に傾いて、

この機会に僧になろうかとも思うのであったが、

いろいろな絆《ほだし》を持っている源氏に

それは実現のできる事ではなかった。

 

四十九日までは女御《にょご》や更衣たちが

皆院の御所にこもっていたが、

その日が過ぎると散り散りに別な実家へ

帰って行かねばならなかった。

これは十月二十日のことである。

この時節の寂しい空の色を見ては

だれも世がこれで終わっていくのではないかと

心細くなるころである。

 

中宮は最も悲しんでおいでになる。

皇太后の性格をよく知っておいでになって、

その方の意志で動く当代において、

今後は

どんなつらい取り扱いを受けねばならぬかというお心細さよりも、

またない院の御愛情に包まれてお過ごしになった過去を

お忍びになる悲しみのほうが大きかった。

しかも永久に院の御所で人々とお暮らしになることはできずに、

皆帰って行かねばならぬことも宮のお心を寂しくしていた。

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