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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

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【源氏物語203 第十帖 賢木15】桐壺院 崩御。御人徳の深い君にお別れして多数の人が悲しんだ。

🌸🎼とどまる哀しみ🌸 music byミルアージュ

夜がふけてから東宮はお帰りになった。

還啓供奉《ぐぶ》する公卿の多さは

行幸にも劣らぬものだった。

御秘蔵子の東宮のお帰りになったのちの院の御心は

最もお悲しかった。

皇太后もおいでになるはずであったが、

中宮がずっと院に添っておいでになる点が御不満で、

躊躇《ちゅうちょ》あそばされたうちに院は崩御になった。

御仁慈の深い君にお別れして

どんなに多数の人が悲しんだかしれない。

院の御位《みくらい》にお変わりあそばしただけで、

政治はすべて思召しどおりに行なわれていたのであるから、

今の帝はまだお若くて外戚の大臣が人格者でもなかったから、

その人に政権を握られる日になれば、

どんな世の中が現出するであろうと

官吏たちは悲観しているのである。

院が最もお愛しになった中宮や源氏の君は

まして悲しみの中におぼれておいでになった。

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