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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語707 第22帖 玉鬘7〈たまかずら〉】姫君が何事も言わずに悲しんでいる様子を見ると、気の毒で、そうなれば死のうと決心している様子が道理に思われ、豊後介は姫君の上京を助けることにした。

次郎がすっかりあちらがたになっているのを

家族は憎みながらも、

豊後介の助けを求めることが急であった。

どうして姫君にお尽くしすればよいか、

相談相手はなし、

親身の兄弟までが監に反対すると言って、

異端者扱いにして自分と絶交する始末である。

監の敵になってはこの地方で何一つ仕事はできないだろう、

手出しをしてかえって自分から不幸を招きはしまいかと

豊後介は煩悶《はんもん》をしたのであるが、

姫君が口では何事も言わずに

このことで悲しんでいる様子を見ると、

気の毒で、

そうなれば死のうと決心している様子が道理に思われ、

豊後介は苦しい策をして姫君の上京を助けることにした。

妹たちも馴染《なじ》んだ良人《おっと》を捨てて

姫君について行くことになった。

あてきと言って、

夕顔夫人の使っていた童女は

兵部《ひょうぶ》の君という女房になっていて、

この女たちが付き添って、

夜に家を出て船に乗った。

大夫《たゆう》の監《げん》はいったん肥後へ帰って

四月二十日ごろに吉日を選んで新婦を迎えに来ようとしているうちに、

こうして肥前を脱出するのである。

姉は子供もおおぜいになっていて同行ができないのである。

行く人、残る人が名残《なごり》を惜しんで、

また見る機会《おり》のないことを悲しむのであったが、

行く人にとっては長い年月をここで送ったのではあっても、

見捨てがたいほど心の残るものは何もこの土地になかった。

ただ松浦の宮の前の海岸の風光と姉娘と

別れることだけがだれにもつらかった。

顧みもされた。

🌊🎼遠い約束 written by こばっと   

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