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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語676 第21帖 乙女31】大宮にとって、夕霧と雲井の雁はお手元で育てられてきたこともあり 二人が去ってしまって寂しくなることを宮は歎《なげ》いておいでになった。

ちょうどそこへ若君が来た。

少しの隙《すき》でもないかと

このごろはよく出て来るのである。

内大臣の車が止まっているのを見て、

心の鬼にきまり悪さを感じた若君は、

そっとはいって来て自身の居間へ隠れた。

内大臣の息子たちである左少将《さしょうしょう》、

少納言《しょうなごん》、

兵衛佐《ひょうえのすけ》、侍従《じじゅう》、

大夫《だいふ》などという人らも

このお邸《やしき》へ来るが、

御簾《みす》の中へはいることは許されていないのである。

左衛門督《さえもんのかみ》、

権中納言《ごんちゅうなごん》などという内大臣の兄弟は

ほかの母君から生まれた人であったが、

故人の太政大臣が

宮へ親子の礼を取らせていた関係から、

今も敬意を表しに来て、

その子供たちも出入りするのであるが、

だれも源氏の若君ほど美しい顔をしたのはなかった。

宮のお愛しになることも比類のない御孫であったが、

そのほかには雲井の雁だけが

お手もとで育てられてきて

深い御愛情の注がれている御孫であったのに、

突然こうして去ってしまうことになって、

お寂しくなることを宮は歎《なげ》いておいでになった。

🪷🎼一花 written by ゆうり

 

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