西の対へも行かずに終日物思いをして源氏は暮らした。
旅人になった御息所は
まして堪えがたい悲しみを 味わっていたことであろう。
院の御病気は十月にはいってから御重体になった。
この君をお惜しみしていないものはない。
帝も御心配のあまりに行幸あそばされた。
御衰弱あそばされた院は東宮のことを
返す返す帝へお頼みになった。
次いで源氏に及んだ。
「私が生きていた時と同じように
大事も小事も彼を御相談相手になさい。
年は若くても国家の政治をとるのに
十分資格が備わっていると私は認める。
一国を支配する骨相を持っている人です。
だから私は彼がその点で
逆に誤解を受けることがあってはならないとも思って、
親王にしないで人臣の列に入れておいた。
将来大臣として国務を任せようとしたのです。
亡くなったあとでも私のこの言葉を尊重してください」
前《さき》の帝《みかど》、
今の君主の御父として御希望を述べられた御遺言も多かったが、
女である筆者は気がひけて書き写すことができない。
帝もこれが最後の御会見に院のお言いになることを
悲しいふうで聞いておいでになったが、
御遺言を違《たが》えぬということを繰り返してお誓いになった。
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