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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

中将(三位中将)が訪ねてくれる【源氏物語165 第九帖 葵38】鈍色の装束から今までのよりは薄い色に着替えた。

日を取り越した法会《ほうえ》はもう済んだが、

正しく四十九日まではこの家で暮らそうと源氏はしていた。

過去に経験のない独り棲《ず》みをする源氏に同情して、

現在の三位《さんみ》中将は始終 訪ねて来て、

世間話も多くこの人から源氏に伝わった。

 

まじめな問題も、恋愛事件もある。

滑稽《こっけい》な話題には

よく源典侍《げんてんじ》がなった。

源氏は、

「かわいそうに、おばあ様を安っぽく言っちゃいけないね」

と言いながらも、

典侍のことは自身にもおかしくてならないふうであった。

 

常陸《ひたち》の宮の春の月の暗かった夜の話も、

そのほかの互いの情事の素破《すっぱ》抜きもした。

長く語っているうちにそうした話は 皆影をひそめてしまって、

人生の寂しさを言う源氏は泣きなどもした。

 

さっと通り雨がした後の物の身にしむ夕方に

中将は《にび》色の喪服の直衣《のうし》指貫《さしぬき》を

今までのよりは《うす》い色のに着かえて、

力強い若さにあふれた、

公子らしい風采《ふうさい》で出て来た。

源氏は西側の妻戸の前の高欄にからだを寄せて、

霜枯れの庭をながめている時であった。

 

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