出立の日の夜明けに、
涼しい秋風が吹いていて、
虫の声もする時、
明石の君は海のほうをながめていた。
入道は後夜《ごや》に起きたままでいて、
鼻をすすりながら仏前の勤めをしていた。
門出の日は縁起を祝って、
不吉なことはだれもいっさい避けようとしているが、
父も娘も忍ぶことができずに泣いていた。
小さい姫君は非常に美しくて、
夜光の珠《たま》と思われる麗質の備わっているのを、
これまでどれほど入道が愛したかしれない。
祖父の愛によく馴染んでいる姫君を入道は見て、
「僧形《そうぎょう》の私が
君のそばにいることは遠慮すべきだと
これまでも思いながら、
片時だってお顔を見ねばいられなかった私は、
これから先どうするつもりだろう」
と泣く。
🪷朧朧たる夢の終わりと朝月夜的なBGM written by 鷹尾まさき(タカオマサキ)
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