🌿イザナギの命とイザナミの命🌿
【天地のはじめ】
——世界のはじめにまず神々の出現したことを説く。
これらの神名には、それぞれ意味があつて、
その順次に出現することによつて世界ができてゆくことを述べる。
特に最初の三神は、抽象的概念の表現として重視される。
日本の神話のうちもつとも思想的な部分である。——
昔、この世界の一番始めの時に、天で御出現になつた神樣は、
お名をアメノミナカヌシの神といいました。
次の神樣はタカミムスビの神、次の神樣はカムムスビの神、
この御《お》三|方《かた》は皆お獨で御出現になつて、やがて形をお隱しなさいました。
次に國ができたてで水に浮いた脂のようであり、
水母《くらげ》のようにふわふわ漂つている時に、
泥の中から葦《あし》が芽《め》を出して來るような勢いの物によつて御出現になつた神樣は、
ウマシアシカビヒコヂの神といい、次にアメノトコタチの神といいました。
この方々《かたがた》も皆お獨で御出現になつて形をお隱しになりました。
以上の五神は、特別の天の神樣です。
それから次々に現われ出た神樣は、クニノトコタチの神、トヨクモノの神、ウヒヂニの神、
スヒヂニの女神、ツノグヒの神、イクグヒの女神、オホトノヂの神、オホトノベの女神、
オモダルの神、アヤカシコネの女神、それからイザナギの神とイザナミの女神とでした。
このクニノトコタチの神からイザナミの神までを神代七代と申します。
そのうち始めの御二方《おふたかた》はお獨立《ひとりだ》ちであり、
ウヒヂニの神から以下は御二方で一代でありました。
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