舞の稽古《けいこ》などは自宅でよく習わせて、
舞姫を直接世話するいわゆるかしずきの幾人だけは
その家で選んだのをつけて、
初めの日の夕方ごろに二条の院へ送った。
なお童女幾人、
下《しも》仕え幾人が付き添いに必要なのであるから、
二条の院、東の院を通じてすぐれた者を多数の中から
選《よ》り出すことになった。
皆それ相応に選定される名誉を思って集まって来た。
陛下が五節《ごせち》の童女だけを御覧になる日の練習に、
縁側を歩かせて見て決めようと源氏はした。
落選させてよいような子供もない、
それぞれに特色のある美しい顔と姿を持っているのに
源氏はかえって困った。
「もう一人分の付き添いの童女を
私のほうから出そうかね」
などと笑っていた。
結局身の取りなしのよさと、
品のよい落ち着きのある者が採られることになった。
🌷🎼千歳の如く written by すもち
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