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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語 第23帖 初音1〈はつね〉】新春第一日の麗らかな光のもと、六条院の新春の眺めは格別であった。紫の上の住居は梅花の香りも御簾の中の香と紛らわしく漂い現世の極楽のようである。

 新春第一日の空の完全にうららかな光のもとには、

どんな家の庭にも雪間の草が緑のけはいを示すし、

春らしい霞《かすみ》の中では、

芽を含んだ木の枝が生気を見せて煙っているし、

それに引かれて人の心ものびやかになっていく。

まして玉を敷いたと言ってよい六条院の庭の初春のながめには

格別なおもしろさがあった。

常に増してみがき渡された各夫人たちの住居《すまい》を写すことに

筆者は言葉の乏しさを感じる。

春の女王《にょおう》の住居はとりわけすぐれていた。

梅花の香りも御簾《みす》の中の薫物《たきもの》の香と紛らわしく漂っていて、

現世の極楽がここであるような気がした。

さすがにゆったりと住みなしているのであった。

女房たちも若いきれいな人たちは姫君付きに分けられて、

少しそれより年の多い者ばかりが紫の女王《にょおう》のそばにいた。

上品な重味のあるふうをして、

あちらこちらに一団を作っているこうした女房らは

歯固《はがた》めの祝儀などを仲間どうしでしていた。

 

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