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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語726 第22帖 玉鬘26】「事情を知っていらっしゃらない方がいられるのだからね」と源氏が隠すように言うと「私がお邪魔なの、私は眠くて何のお話だか分からないのに」と女王は袖で耳をふさいだ。

「発見したって、どんな人かね。

 えらい修験者などと懇意になってつれて来たのか」

 と源氏は言った。

「ひどいことをおっしゃいます。

 あの薄命な夕顔のゆかりの方を見つけましたのでございます」

「そう、それは哀れな話だね、これまでどこにいたの」

 と源氏に尋ねられたが、ありのままには言いにくくて、

「寂しい郊外に住んでおいでになったのでございます。

 昔の女房も半分ほどはお付きしていましてございますから、

 以前の話もいたしまして悲しゅうございました」

 と右近は言っていた。

「もうわかったよ。

 あの事情を知っていらっしゃらない方がいられるのだからね」

 と源氏が隠すように言うと、

「私がおじゃまなの、私は眠くて何のお話だかわからないのに」

 と女王《にょおう》は袖《そで》で耳をふさいだ。

「どんな容貌《きりょう》、昔の夕顔に劣っていない」

「あんなにはおなりにならないかと存じておりましたけれど、

 とてもおきれいにおなりになったようでございます」

「それはいいね、だれぐらい、この人とはどう」

「どういたしまして、そんなには」

 と右近が言うと、

「得意なようで恥ずかしい。何にせよ私に似ていれば安心だよ」

 わざと親らしく源氏は言うのであった。

 その話を聞いた時から源氏はおりおり右近一人だけを呼び出して

 姫君の問題について語り合った。

🪻🎼#雪月花 written by #まんぼう二等兵 

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