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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語657 第21帖 乙女12】大臣の姫君 雲居の雁は大宮に引き取られ育てられた。源氏の若君の夕霧の従姉妹。この少女と少年は小さな恋人同士になった。


幾人かの腹から生まれた子息は十人ほどあって、

大人になって役人になっているのは

次々に昇進するばかりであったが、

女は女御のほかに一人よりない。

それは親王家の姫君から生まれた人で、

尊貴なことは嫡妻の子にも劣らないわけであるが、

その母君が

今は按察使大納言《あぜちだいなごん》の夫人になっていて、

今の良人《おっと》との間に

幾人かの子女が生まれている中において

継父の世話を受けさせておくことはかわいそうであるといって、

大臣は引き取ってわが母君の大宮に姫君をお託ししてあった。

大臣は女御を愛するほどには決して

この娘を愛してはいないのであるが、

性質も容貌《ようぼう》も美しい少女であった。

そうしたわけで源氏の若君とこの人は同じ家で成長したのであるが、

双方とも十歳を越えたころからは、別な場所に置かれて、

どんなに親しい人でも男性には用心をしなければならぬと、

大臣は娘を訓《おし》えて睦《むつ》ませないのを、

若君の心に物足らぬ気持ちがあって、

花や紅葉《もみじ》を贈ること、

雛《ひな》遊びの材料を提供することなどに真心を見せて、

なお遊び相手である地位だけは保留していたから、

姫君もこの従弟《いとこ》を愛して、

男に顔を見せぬというような、

普通の慎みなどは無視されていた。

乳母《めのと》などという後見役の者も、

この少年少女には幼い日からついた習慣があるのであるから、

にわかに厳格に二人の間を

隔てることはできないと大目に見ていたが、

姫君は無邪気一方であっても、少年のほうの感情は進んでいて、

いつの間にか情人の関係にまで到《いた》ったらしい。

🌸🎼優花 written by のる

 

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