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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

🌼第11帖 花散里 はなちるさと【総集編】

五月雨の頃、源氏は故桐壺院の妃の一人麗景殿女御を訪ねる。
妹の三の君(花散里)は源氏の恋人で、姉妹は院の没後源氏の庇護を頼りにひっそりと暮らしていた。
訪問の途中、かつて会った中川の女の元に歌を詠みかけるが、既に心変わりしてしまったのかやんわりと拒絶される。
女御の邸は橘の花が香り、昔を忍ばせるほととぎすの声に源氏は女御としみじみと昔話を語り合い、
その後そっと三の君を訪れた。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

花散里はなちるさとの姫君は、源氏の父君である桐壺院の妃の一人
麗景殿女御 れいけいでんのにょうごの妹君(三の君)

穏やかで優しい人柄で、裁縫も染色も上手。
源氏の君からの信頼もあつく、源氏の息子の夕霧や 子どもたちをお世話しました。

とはいえ、一見おっとりした花散里の姫君ですが、
私は、心の中ではいろいろな葛藤もあったのでは?
と勝手に思っています。
その根拠はこの花散里の姫君の言葉😢

「なぜあの時に私は非常に悲しいことだと思ったのでしょう。

 私などはあなたに幸福の帰って来た今だっても

 やはり寂しいのでしたのに」

と恨みともなしに

おおように言っているのが可憐《かれん》であった。

例のように源氏は言葉を尽くして女を慰めていた。

平生どうしまってあったこの人の熱情かと思われるようである。

↓記事より

私などはあなたに幸福の帰って来た今だっても

やはり寂しいのでしたのに」‥😢

花散里の姫君は、

鷹揚に言っていて可憐であったと源氏の君は申されますが‥💢

この何気ない言葉に、深い哀しみとか諦めを感じました。

六条院の夏の町を与えられ、

大切な子女の養育も任された花散里の姫君🌸

落ち葉の宮との恋愛事件で悩む夕霧が、

花散里のもとを訪ねる場面もあります。

【第39帖 夕霧】より

〜大将は家へは帰らずに

六条院の東の花散里《はなちるさと》夫人の住居《すまい》へ行った。

まだ朝霧は晴れなかった。

町でもこんなのであるから、

小野の山荘の人はどんなに寂しい霧を眺めておいでになるであろうと大将は思いやった。
「珍しくお忍び歩きをなさいましたのですよ」
 と女房たちはささやいていた。
夕霧の大将はしばらく休息をしてから衣服を脱ぎかえた。

平生からこの人の夏物、

冬物を幾襲《かさね》となく作って用意してある養母であったから、

香の唐櫃《からびつ》からすぐに品々が選び出されたのである。

朝の粥《かゆ》を食べたりしたあとで夫人の居間へ夕霧ははいって行った。

夕霧はそこから小野へ手紙をお送りした。

 

〜大将は六条院へ来て休息をした。

花散里《はなちるさと》夫人が、

「一条の宮様と御結婚なすったと

 太政大臣家あたりではお噂《うわさ》しているようですが、

 ほんとうのことはどんなことなのでしょう」

とおおように尋ねた。

御簾《みす》に几帳《きちょう》を添えて立ててあったが、

横から優しい継母の顔も見えるのである。

「そんなふうに噂《うわさ》もされるでしょう。

 亡くなられた御息所《みやすどころ》は、

 最初私が申し込んだころには

 もってのほかのことのように言われたものですが、

 病気がいよいよ悪くなったころに、

 ほかに託される人のないのが心細かったのですか、

 自分の死後の宮様を御後見するようにというような遺言をされたものですから、

 初めから好きだった方でもあるのですから、

 こういうことにしたのですが、

 それをいろいろに付会した噂もするでしょう。

 そう騒ぐことでないことを人は問題にしたがりますね」

と夕霧は笑って、

「ところが御本人はまだ尼になりたいとばかり考えておいでになるのですから、

 それもそうおさせして、

 いろいろに続き合った面倒な人たちから

 悪く言われることもなくしたほうがよいとは思われますが、

 私としては御息所の遺言を守らねばならぬ責任感があって、

 ともかくも形だけは私が良人《おっと》になって

 同棲《どうせい》することにしたのです。

 院がこちらへおいでになりました時にも

 お話のついでにそのとおりに申し上げておいてください。

 堅く通して来ながら、

 今になって人が批難をするような恋を始めるとはけしからんなどと

 お言いにならないかと遠慮をしていたのですが、

 実際恋愛だけは人の忠告にも自身の心にも従えないものなのですからね」

とも忍びやかに言うのだった。

(花散里)

「私は人の作り事かと思って聞いていましたが、

 そんなことでもあるのですね。

 世間にはたくさんあることですが、

 三条の姫君がどう思っていらっしゃるだろうかとおかわいそうですよ。

 今まであんなに幸福だったのですから」

「可憐な人のようにお言いになる姫君ですね。

 がさつな鬼のような女ですよ」 と言って、また、

「決してそのほうもおろそかになどはいたしませんよ。

 失礼ですがあなた様御自身の御境遇から御推察なすってください。

 穏やかにだれへも好意を持って暮らすのが

 最後の勝利を得る道ではございませんか。

 嫉妬深いやかましく言う女に対しては、

 当座こそ面倒だと思ってこちらも慎むことになるでしょうが、

 永久にそうしていられるものではありませんから、

 ほかに対象を作る日になると、

 いっそうかれはやかましくなり、

 こちらは倦怠《けんたい》と反感をその女から覚えるだけになります。

 そうしたことで、こちらの南の女王の態度といい、

 あなた様の善良さといい、皆手本にすべきものだと私は信じております」

 と継母をほめると、

 夫人は笑って、

「物の例にお引きになればなるほど、

 私が愛されていない妻であることが明瞭《めいりょう》になりますよ。

 それにしましてもおかしいことは、

 院は御自身の多情なお癖はお忘れになったように、

 少しの恋愛事件をお起こしになるとたいへんなことのように

 お訓《さと》しになろうとしたり、

 蔭《かげ》でも御心配になったりするのを拝見しますと、

 賢がる人が

 自己のことを棚《たな》に上げているということのような気がしてなりませんよ」

 こう花散里夫人が言った。

「そうですよ。始終品行のことで教訓を受けますよ。親の言葉がなくても私は浮気《うわき》なことなどをする男でもないのに」

大将は非常におかしいと思うふうであった。

↓より引用

院は御自身の多情なお癖はお忘れになったように、

 少しの恋愛事件をお起こしになるとたいへんなことのように

 お訓《さと》しになろうとしたり、

 蔭《かげ》でも御心配になったりするのを拝見しますと、

 賢がる人が

 自己のことを棚に上げているということのような気がしてなりませんよ」

花散里様‥
意外とぶっちゃけトーク٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
家庭的で優しく貞淑な妻 

それだけではなく
自分の気持ちにも素直であるところが魅力的🥰

 

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