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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語724 第22帖 玉鬘24〈たまかずら〉】右近は、「ちょうど七日お暇をいただいていたのでございますが‥ 山へ参りましてね。お気の毒な方を発見いたしました」と申し上げた。「だれ」と源氏は尋ねた。

 右近は旅からすぐに六条院へ出仕した。

姫君の話をする機会を早く得たいと思う心から急いだのである。

門をはいるとすでにすべての空気に

特別な豪華な家であることが感ぜられるのが六条院である。

来る車、出て行く車が無数に目につく。

自分などがこの家の一人の女房として自由に出入りをすることも

まばゆい気のすることであると右近に思われた。

その晩は主人夫婦の前へは出ずに、

部屋へ引きこもって右近はまた物思いをした。

翌日は昨日自宅から上がって来た高級の女房が

幾人《いくたり》もある中から、

特に右近が夫人に呼び出されたのを、右近は誇らしく思った。

源氏も夫人の居間にいた。

「どうして長く家へ行っていたのかね。

 少しこれまでとは違っているのではないか。

 独身者はこんな所にいる時と違って、

 自宅では若返ることもできるのだろう。

 おもしろいことがきっとあったろう」

 などと例の困らせる気の戯談《じょうだん》を源氏が言う。

「ちょうど七日お暇《いとま》をいただいていたのでございますが、

 おもしろいことなどはなかなかないのでございます。

 山へ参りましてね。お気の毒な方を発見いたしました」

「だれ」

 と源氏は尋ねた。

突然その話をするのも、

これまで夫人にしていない昔の話から筋を引いていることを、

源氏にだけ言えば夫人があとで話をお聞きになって

不快がられないかなどと右近は迷っていて、

「またくわしくお話を申し上げます」

 と言って、

ほかの女房たちも来たのでそのまま言いさしにした。

🌷🎼#faint memory written by #すもち 

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