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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【平家物語84 第4巻 源氏そろえ④】源氏の陣にはかく射よ、平家の者にはこう射よと、互にゆずらぬ弓から放たれる矢は絶え間なく飛び交い、射手のあげる雄叫びは衰えることなく続き、鏑矢のうなりは鳴りひびいて、死闘は三日間続いた。

このころ、熊野別当|湛増《たんぞう》は、

平家の重恩を受けていたが、

どこからこの令旨のことをもれ聞いたのか、

「新宮の十郎義盛は高倉宮の令旨を抱いて、

すでに謀叛を起さんとしている。

那智、新宮の者どもは、

定めし源氏の味方をするであろうが、

この湛増は平家のご恩を山より高く受けている身、

いかで謀叛にくみしえよう。

まず那智、新宮の者どもに矢一つ射かけて、

その後、都へことの詳細を報告することにしよう」

 と、甲冑に身を固めた兵、

一千余人を引きつれて新宮の港へ向った。

新宮では、鳥居の法眼、高坊《たかぼう》の法眼、

武士には宇井、鈴木、水屋、亀甲《かめのこう》、

那智では執行法眼以下、

その勢合せて二千人余が陣を構えた。

来るべき嵐の前ぶれともいうべきこの戦は激しかった。

双方|鬨《とき》の声をあげ、矢を射合わせて、

合戦の幕は切られた。

源氏の陣にはかく射よ、平家の者にはこう射よと、

互にゆずらぬ弓から放たれる矢は絶え間なく飛び交い、

射手のあげる雄叫びは衰えることなく続き、

鏑矢《かぶらや》のうなりは鳴りひびいて、

死闘は三日間続いた。

しかし、さしも腕に覚えの法眼湛増も、

家の子郎党を数多く射たれ、わが身も傷を負って、

命からがら本宮熊野へ逃げ帰ったのであった。

🍂🎼Alecto written by ハシマミ

 

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