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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【平家物語BGM】尾崎士郎訳 第1巻〜

二十余年の長きにわたって、その権勢をほしいままにし、

「平家に非《あら》ざるは人に非ず」とまで豪語した平氏も

元はといえば、微力な一地方の豪族に過ぎなかった。

 その系譜をたずねると、

先ず遠くさかのぼって桓武天皇の第五皇子、

一品式部卿葛原親王《いっぽんしきぶきょうかずらはらのしんのう》

という人物が、その先祖にあたるらしい。

 葛原親王の孫にあたる、高望王《たかもちのおう》は、

藤原氏の専制に厭気がさし、

無位無官のまま空しく世を去った父の真似はしたくないといって、

臣籍に降下し、中央の乱脈な政治を見限って、

専ら、地方で武芸をみがいてきた。

その子良望《よしもち》から正盛まで六代、

諸国の受領《ずりょう》として、

私腹を肥やす傍ら、

武門の名を次第に轟《とどろ》かしていったのである。