【平家物語 第2巻】
治承元年五月五日、叡山の座主、明雲《めいうん》大僧正は、
宮中の出入りを差しとめられた。
同時に、天皇平安の祈りを捧げるために預っていた、
如意輪観音《にょいりんかんのん》の本尊も取上げられた。
更に検非違使庁《けびいしのちょう》を通じて、
神輿を振り上げて、
都へ押し寄せた張本人を摘発せよという命令もきていた。‥
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