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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語696 第21帖 乙女51】君は秋の除目《じもく》の時に侍従に任ぜられた。雲井の雁を忘れる時がないのであるが、大臣が厳重に監視しているのも恨めしくて、無理をして逢ってみようともしなかった。

源氏の公子はその日の成績がよくて進士になることができた。

碩学《せきがく》の人たちが選ばれて

答案の審査にあたったのであるが、

及第は三人しかなかったのである。

そして若君は秋の除目《じもく》の時に侍従に任ぜられた。

雲井《くもい》の雁《かり》を忘れる時がないのであるが、

大臣が厳重に監視しているのも恨めしくて、

無理をして逢ってみようともしなかった。

手紙だけは便宜を作って送るというような

苦しい恋を二人はしているのであった。

 源氏は静かな生活のできる家を、

なるべく広くおもしろく作って、

別れ別れにいる、

たとえば嵯峨の山荘の人なども

いっしょに住ませたいという希望を持って、

六条の京極の辺に中宮の旧邸のあったあたり

四町四面を地域にして新邸を造営させていた。

式部卿の宮は来年が五十におなりになるのであったから、

紫夫人はその賀宴をしたいと思って

仕度《したく》をしているのを見て、

源氏もそれはぜひともしなければならぬことであると思い、

そうした式もなるべくは新邸でするほうがよいと、

そのためにも建築を急がせていた。

💐🎼ひみつの恋 written by ゆうり

 

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