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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語673 第21帖 乙女28】夕霧の若君は宮のお居間のほうへ帰ったが、ため息を大宮がお目ざめになってお聞きにならぬかと遠慮されて、みじろぎながら寝ていた。

さ夜中に 友よびわたる 雁がねに

 うたて吹きそふ 荻《をぎ》のうは風

身にしむものであると若君は思いながら

宮のお居間のほうへ帰ったが、

歎息《たんそく》してつく吐息《といき》を

宮がお目ざめになってお聞きにならぬかと遠慮されて、

みじろぎながら寝ていた。

 若君はわけもなく恥ずかしくて、

早く起きて自身の居間のほうへ行き、手紙を書いたが、

二人の味方である小侍従にも逢うことができず、

姫君の座敷のほうへ行くこともようせずに

煩悶《はんもん》をしていた。

女のほうも父親にしかられたり、

皆から問題にされたりしたことだけが恥ずかしくて、

自分がどうなるとも、

あの人がどうなっていくとも深くは考えていない。

美しく二人が寄り添って、愛の話をすることが悪いこと、

醜いこととは思えなかった。

そうした場合がなつかしかった。

こんなに皆に騒がれることが

至当なこととは思われないのであるが、

乳母などからひどい小言《こごと》を言われたあとでは、

手紙を書いて送ることもできなかった。

大人はそんな中でも

隙《すき》をとらえることが不可能でなかろうが、

相手の若君も少年であって、

ただ残念に思っているだけであった。

🪻🎼甘い夢の一つ written by のる

 

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