「世間の親が愛におぼれて、
子に対しては正当な判断もできなくなっているなどと
私は見たこともありますが、自分のことになってみると、
それは子が大人になっただけ親はぼけていくので
やむをえないことだと解釈ができます。
私などはまだたいした年ではないがやはりそうなりますね」
などと言いながら涙をふいているのを見る若君の教師はうれしかった。
名誉なことになったと思っているのである。
大将が杯をさすともう深く酔いながら
畏《かしこ》まっている顔つきは気の毒なように痩せていた。
変人と見られている男で、学問相当な地位も得られず、
後援者もなく貧しかったこの人を、
源氏は見るところがあってわが子の教師に招いたのである。
たちまちに源氏の庇護《ひご》を受ける身の上になって、
若君のために生まれ変わったような幸福を得ているのである。
将来はましてこの今の若君に重用されて行くことであろうと思われた。
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