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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語762 第24帖 胡蝶6】仏前へ花が供せられるのであったが、美しい童女八人に、蝶と鳥を形どった服装をさせ、鳥は銀の花瓶に桜のさしたのを持たせ、蝶には金の花瓶に山吹をさしたのを持たせてあった。

 今朝《けさ》の管絃楽はまたいっそうおもしろかった。

この日は中宮が僧に行なわせられる読経《どきょう》の初めの日であったから、

夜を明かした人たちは、

ある部屋部屋《へやべや》で休息を取ってから、

正装に着かえてそちらへ出るのも多かった。

障《さわ》りのある人はここから家へ帰った。

正午ごろに皆中宮の御殿へ参った。

殿上役人などは残らずそのほうへ行った。

源氏の盛んな権勢に助けられて、

中宮は百官の全《まった》い尊敬を得ておいでになる形である。

春の女王《にょおう》の好意で、仏前へ花が供せられるのであったが、

それはことに美しい子が選ばれた童女八人に、

蝶《ちょう》と鳥を形どった服装をさせ、

鳥は銀の花瓶《かびん》に桜のさしたのを持たせ、

蝶には金の花瓶に山吹をさしたのを持たせてあった。

桜も山吹も並み並みでなくすぐれた花房《はなぶさ》のものがそろえられてあった。

南の御殿の山ぎわの所から、船が中宮の御殿の前へ来るころに、

微風が出て瓶の桜が少し水の上へ散っていた。

うららかに晴れたその霞の中から、

この花の使者を乗せた船の出て来た形は艶《えん》であった。

天幕をこちらの庭へ移すことはせずに、

左へ出た廊を楽舎のようにして、

腰掛けを並べて楽は吹奏されていたのである。

童女たちは階梯《きざはし》の下へ行って花を差し上げた。

香炉を持って仏事の席を練っていた公達《きんだち》がそれを取り次いで仏前へ供えた。

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