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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

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【平家物語127 第5巻 文覚の荒行③】文覚は雪を踏み氷を割って滝壺に下り、首まで体を沈めた。みるみるうちに足の手の感覚が失われてゆく。文覚の唇から慈救《じく》の呪文が滝音に抗するように唱えられた。

文覚は衣を捨てると、雪を踏み氷を割って滝壺に下り、首まで体を沈めた。

みるみるうちに足の手の感覚が失われてゆく。

文覚の唇から白い息とともに慈救《じく》の呪文が滝音に抗するように唱えられた。

こうして不動明王の呪文十万遍を唱え切ろうというのだが、

二、三日は忍び耐えた。五日目にもなれば知覚は体から殆んど消えた。

やがて失神の文覚が浮びあがると、

数千丈の断崖から落下する滝水の勢いにあっという間に流された。

刃のように切り立った岩と岩の間を水にもまれ流されること五、六町、

流木の如く水にもてあそばれて所詮命はないものかと思われたが、

突然何処より現れたか、美しき童子が忽然として姿を見せると、

文覚の手を取って岸に引きあげた。

これを目にとめた修験者たちは、不思議に思って懸命の介抱を行なった。

氷のような文覚の体を焚火で暖めるなど手をつくすと、

文覚はほどなく生命をとりもどした。

だが生き帰った文覚は修験者たちに礼一ついわなかった。

介抱者たちをあたかもおのが修行の邪魔者であるかのごとく、

はったと睨まえると大音声をあげた。

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