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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

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【平家物語97 第4巻 南都返牒〈なんとへんちょう〉】山門から拒否同様の返事を受けた三井寺衆徒は、これで孤立するのではないかとの不安におののいていたが、興福寺からの返書は大いに気勢を上げさせた。

山門から拒否同様の返事を受けた三井寺衆徒は、

これで孤立するのではないかとの不安におののいていたが、

興福寺からの返書は大いに気勢を上げさせた。

それほどこの返書は激越な文句で綴られていたのである。

「興福寺より園城寺へ返事申す。

 当寺一味同志決議したこと左の如し。

 ともにわれわれは釈迦一代の教文を奉ずるもの、

 喜んで貴寺へ合力を誓うものである。

 およそ清盛入道は平氏のかす、武家のごみと申してよい。

 彼はもとより賤しい身の出であって、

 かつては名もない若侍さえ彼に仕えるのを恥じたものであったが、

 今や一族を貴官に列し、百官を下僕のように召し使い、

 王侯公卿でも意のままに捕縛する暴虐を行なっている。

 家代々の領地、荘園を奪うなど、

 その例数えるいとまがないほどであるが、

 去年の冬十一月には関白を配流されたのである。

 この古今に例のない暴悪に、

 われらは賊徒として彼をその罪に問うべきであったが、

 あるいは神慮ととなえ、

 あるいは勅旨と称して偽りの名分を立てるなどで、

 われわれも隠忍せざるを得なかった次第。

 ここに平家ども御所を包囲したところが、

 春日大明神ひそかに姿を現して高倉宮を貴寺に送り届けたのは、

 王法未だ衰えざる兆とみるべきものである。

 貴寺が身を捨ててご守護申し上げるのは喜ぶべきこと、

 当寺も合力に全力をあげるものである。

 当寺すでに十八日朝大衆を集め、

 諸寺に檄を飛ばし末寺に指令を与えるなど、

 合戦の準備を行なっていたところへ、

 貴寺の芳翰《ほうかん》を得たのであるから、

 われら衆徒一同の年来の不平霧消 士気大いにあがった。

 われら協力すれば、

 邪臣をうち払うことも難からずと信じている。

 貴寺親王を守りて、

われらの進発の報を待たれたい。

治承四年五月二十一日 大衆一同」

 まさに会心の返書である、

三井寺衆徒が何れもくり返しこれを読んだその心は

察するに難くはない。

夜を日に継いでの戦への準備もはずんだ。

🌹🎼雷鳴の閃き written by こーち

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