google.com, pub-8944455872984568, DIRECT, f08c47fec0942fa0

源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【平家物語96 第1巻 南都への牒状〈なんとへのちょうじょう〉】三井寺への返事には、態度未定、目下検討中という政治的用語をふんだんに使われた返書が送りかえされた。

 三井寺から檄文を受けとった比叡山門の大衆は、

いささか機嫌を損じた。

山門は本山であるとの自負がある。

「鳥の双翼、車の両輪」という文句が気に障った。

当山の末寺三井寺が

山門を同格に扱うのは無礼であるというのである。

憤慨のうちに返事はのばされた。

これと殆んど時を同じうして、

天台座主明雲大僧正が突然山に来て、

衆徒を説得して廻った。清盛の打った手である。

こうして、三井寺への返事には、

態度未定、目下検討中という

政治的用語をふんだんに使われた返書が送りかえされた。

入道清盛から、さらに比叡衆徒の懐柔策がとられ、

通りがかりの手土産として、

近江米二万石、

北国の織延絹《おりのべぎぬ》三千疋を山門へ寄せた。

急ぎ皆に分け与えよ、というので谷や峰の僧坊にわけられたが、

突然のことで分配はうまくゆかず、

どさくさに紛れての一人占めなどの火事場泥棒騒ぎであった。

 また奈良興福寺への三井寺からの檄は、

比叡に送ったものとほぼ同文であったが、その末尾に、

「特に貴寺においては、

罪なき関白藤原基房卿を鬼界ヶ島に流されるなど、

清盛からは多くのはずかしめを受けられている。

この時恥をすすがずんば、いつの日を期し得ようか」

 と特記し、格別の協力を要請したのであった。

🌺🎼大河 written by 伊藤ケイスケ

 

少納言のホームページ 源氏物語&古典 syounagon-web ぜひご覧ください🪷 https://syounagon-web-1.jimdosite.com

 

🪷聴く古典文学 少納言チャンネルは、聴く古典文学動画。チャンネル登録お願いします🪷