google.com, pub-8944455872984568, DIRECT, f08c47fec0942fa0

源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【平家物語92 第4巻 競②〈きおう〉】「噂にたがわぬ名馬じゃ。馬は良い、だが持主の惜しみ方が憎い。それならば仲綱めが心を慰めてくれよう、やつの名を馬に印しるせよ」仲綱の焼印を押された。


「噂にたがわぬ名馬じゃ。馬は良い、

 だが持主の惜しみ方が憎い。

 それならば仲綱めが心を慰めてくれよう、

 やつの名を馬に印《しる》せよ」

 仲綱の焼印を押された「木の下」は

こうして宗盛の厩に収まったが、

伝え聞いた客たちが訪れて、一目名馬をと所望すると、

薄笑いを浮べた宗盛は馬をひかせると怒鳴った。

「仲綱めに鞍をおけ、引き出せい。

 仲綱めに乗れい、打て、なぐれい」

 無念の涙にくれたのは仲綱である。

掌中の珠《たま》を奪われたばかりか、

ことごとわが身を嘲弄される。

父の前に現れた仲綱は、

父への恨みもまじるまなざしを投げながら訴えた。

「わが身にも代えたいあの馬を、

 あたら権力で奪われたのは無念に存じまする。

 そのうえ、天下の笑い者になっておりますこの身、

 父上、あきらめられぬ恨事にござります」

「わしも人を見る明がなかった。

 お前の胸のうちは察してやる。

 それにしても侍の道を知らぬ奴輩《やから》じゃ。

 われらに何もできまいと思うて、

 平家はかかる仕打ちも平気で行なっておるのじゃ。

 これほど馬鹿にされては源氏の名もすたる。

 生きながらえても、所詮《しょせん》命の無駄使いじゃ。

 わしも決意した、

 機会をうかがって奴らに思い知らせてやる所存じゃ。

 仲綱、今はこらえてくれい」

 こうして、頼政は機会を狙っていたが、

遂に高倉宮を動かして、このたびの挙に出たものである。

これは、世間の人が噂していることであったが、

信ずべきものと思われる。

🫏🎼Rainy city by #H.Lang

 

少納言のホームページ 源氏物語&古典 syounagon-web ぜひご覧ください🪷 https://syounagon-web-1.jimdosite.com 

 

🪷聴く古典文学 少納言チャンネルは、聴く古典文学動画。チャンネル登録お願いします🪷