内大臣はそれきりお訪ねはしないのであるが
宮を非常に恨めしく思っていた。
夫人には
雲井の雁の姫君の今度の事件についての話をしなかったが、
ただ気むずかしく不機嫌になっていた。
「中宮がはなやかな儀式で
立后後の宮中入りをなすったこの際に、
女御が同じ御所でめいった気持ちで
暮らしているかと思うと私はたまらないから、
退出させて気楽に家《うち》で遊ばせてやりたい。
さすがに陛下は
おそばをお離しにならないようにお扱いになって、
夜昼上の御局《みつぼね》へ上がっているのだから、
女房たちなども
緊張してばかりいなければならないのが苦しそうだから」
こう夫人に語っている大臣は
にわかに女御退出のお暇を帝《みかど》へ願い出た。
御寵愛《ちょうあい》の深い人であったから、
お暇を許しがたく帝《みかど》は
思召《おぼしめ》したのであるが、
いろいろなことを言い出して
大臣が意志を貫徹しようとするので、
帝はしぶしぶ許しあそばされた。
自邸に帰った女御に大臣は、
「退屈でしょうから、
あちらの姫君を呼んでいっしょに遊ぶことなどなさい。
宮にお預けしておくことは安心なようではあるが、
年の寄った女房があちらには多すぎるから、
同化されて若い人の慎み深さがなくなってはと、
もうそんなことも
考えなければならない年ごろになっていますから」
こんなことを言って、
にわかに雲井の雁を迎えることにした。
🪻🎼孤独な少女 written by ゆうり
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