源氏はまた去年の野の宮の別れが
このころであったと思い出して、
自分の恋を妨げるものは、
神たちであるとも思った。
むずかしい事情が間にあればあるほど情熱のたかまる癖を
みずから知らないのである。
それを望んだのであったら加茂の女王との結婚は
困難なことでもなかったのであるが、
当時は暢気《のんき》にしていて、
今さら後悔の涙を無限に流しているのである。
斎院も普通の多情で書かれる手紙でないものを、
これまでどれだけ受けておいでになるかしれないのであって、
源氏をよく理解したお心から
手紙の返事もたまにはお書きになるのである。
厳正にいえば、 神聖な職を持っておいでになって、
少し謹慎が足りないともいうべきことであるが。
🌸神へ捧げる written by ゆうり🌸
少納言のホームページ 源氏物語&古典 syounagon-web ぜひご覧ください🪷
https://syounagon-web-1.jimdosite.com
🪷聴く古典文学 少納言チャンネルは、聴く古典文学動画です。チャンネル登録お願いします🪷
[rakuten:f242110-toba:10001773:detail]