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源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸

源氏物語&古典をはじめ、日常の生活に雅とユーモアと笑顔を贈ります🎁

【源氏物語215 第十帖 賢木27】源氏はこっそり塗籠から抜け出し屏風と壁の間を伝って藤壺の宮の側に来た。宮のお姿を見て涙を流す源氏。


宮は昼の御座へ出てすわっておいでになった。

御|恢復《かいふく》になったものらしいと言って、

兵部卿の宮もお帰りになり、

お居間の人数が少なくなった。

平生からごく親しくお使いになる人は多くなかったので、

そうした人たちだけが、

そこここの几帳《きちょう》の後ろや

襖子《からかみ》の蔭などに侍していた。

 

命婦などは、

「どう工夫して大将さんをそっと出してお帰ししましょう。

 またそばへおいでになると

 今夜も御病気におなりあそばすでしょうから、

 宮様がお気の毒ですよ」

などとささやいていた。

 

源氏は塗籠の戸を初めから

細目にあけてあった所へ手をかけて、

そっとあけてから、

屏風《びょうぶ》と壁の間を伝って 宮のお近くへ出て来た。

存じのない宮のお横顔を蔭からよく見ることのできる喜びに

源氏は胸をおどらせ涙も流しているのである。

「まだ私は苦しい。死ぬのではないかしら」

とも言って外のほうをながめておいでになる横顔が

非常に艶《えん》である。

🌸🎼 灰の扉 written by のる

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